何か書けたら書いてます

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映画「孤狼の血」(ほぼ日岡の話)※5.25追記

タイトル通りです。元々松坂桃李くんが演じる日岡が楽しみで見に行ったんですが、期待を余裕で超えてきたのでびっくりしました。日岡の他にも沢山のカッコイイ男達がカッコイイ信念を持ってカッコイイことしてる映画ですよ(笑いもあるよ!)この映画の主なターゲットは男性だろうと思っていたので座席周りがおじさんだらけでも納得しました。

 

1言で言うとわたしはこんな映画が好きだ!

以下感想です。ネタバレ注意!!

 

 

 

 


映画『孤狼の血』予告編

 

 

 

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この映画は主に日岡の視点で語られているので、感情移入のしやすさは日岡がダントツだと思う。

過激な取り調べや行き過ぎた捜査を平気でやってのけるヤクザよりも暴力的な大上のバディ兼監視をすることになった新人刑事の日岡。最初は大上の行き過ぎた行為に振り回され大上の行動が理解出来ず反発しつつも、大上と行動していくうちに日岡の中にある「正義」というものの考え方や今自分が見ているものへの感情が変わっていく。

 

日岡の核は「変化」。パンフレットのインタビューで大上役の役所広司さんが日岡のことを「濁った水を飲まされている」と表現している。

 

大上と離れるまで、日岡はずっと受け身だった。大上と離れてからの日岡の暴れっぷりは凄まじかった。ずっと濁った水を飲んで飲んで……大上の真実を知って、想いを受けて、大上という一匹狼の血を継いだ日岡はまるで序盤の新人刑事だった頃とは別人だった。

 

その変化が、目、口調、喋り方ではっきりわかる。だんだん髭が生えてきて、目は据わり、どんどん大上化していく。梨子ママから真実を聞いた後、日岡の頭の中で全てが合致したであろう瞬間に出た笑顔がわたしは怖かったし、あの瞬間がとても好きだ。そこからの日岡無双。最高!!

(オタクとしては日岡はボコボコにされるしボコボコにするしキスもするし酔っ払うしずっとスーツだし血に塗れるし嘔吐もするので大満足でした。見たかったやつ全部やってくれました。ありがとう…ありがとう…)

インタビューを見ていると、日岡が変化していく過程があり、それをどう繋げていくか。桃李くんはそれを逆算。計算しながら挑んだと書いている。でも結局日岡とともに現場を歩んだ。計算しててもそこで何が起こるかはわからないし、目の前にいる大上さんの背を見ながら、生まれた感情を元に日岡を積み上げたとも。だからこそ日岡の変化がナチュラルでその上強固なものだったのかなと思った。そしてそれって役を生き抜いていることにもなるよねと…。

撮影当時のマネつぶを見ていたときは(去年の今頃?)、精神がすり減るほど大変な現場なんじゃないのかこれ!?って思ったほどハードそうだなと感じたんですがパンフレットのインタビューで苦労したところはあんまり覚えてない(笑)って書いてたので「そういうとこだぞ!」って思いました。

 

 

  •  大上さんと日岡刑事

最初に書いた通り、この映画は日岡視点で進むので大上の過去や大上の真意は詳しく語られない。でもわたしはそれでいいと思った。大上の綱渡りの綱はきっと日岡と出会った時からもう切れかかっていたのかもしれない。

しかし綱渡りの綱が途中で切れたとしても、日岡が継いでくれるとどこかで感じていたのかもしれない…。最初は監視する側される側だったのに、最終的には父と息子のような関係性になるのが泣ける。2人が腹割って話すなどのシーンはそんなにない。どちらかといえば日岡が反発し大上が日岡をいなしてそのまま持っていく感じ。そうやって振り回し続けながらも大上は日岡を使い捨ての部下として思ってるわけでもなく自分のやり方を見せることで日岡に理解してもらおうと思ってるわけでもなかったと思う。最後まで自分からは語らずに去って行ってしまった。大上が書き加えたノートを見た日岡の涙がたまらなかった…。

 

 

  • 大上さんのジッポライターがまさかここまで重要とは

血を継ぐという表現を視覚化するとしたら、このジッポライターかな?大上がこのライターを手にした時から事が大きく動き出した。

日岡、煙草嫌いそうなイメージがあったけどラストシーンでそのライターを使って煙草を吸い出したところで手が震えました。

 

 

  •  大上さん

大上さんははっきり危険な人物だし、反発してる者もいる中で、そのやり方に理解を示している者もいれば恩を感じている者もいる。自分からは語らない姿勢が本当にカッコイイ。役所広司さんは流石の存在感。すごく強面だしすごく怖いし。呉弁怖い。でも段々日岡を見る目が父親のように思えてきて。飲みに誘ったが断られてしまったのが日岡との最後の会話になってしまった、というのが泣ける。

 

大上さんにも日岡刑事にも他の人物にも言えるけど、各々自分の正義がはっきりあって、それを貫いているからこそ孤狼の血の登場人物はひたすらカッコイイのだと思う。己のメンツを保とうとする人物だってそれが「自分の正義」なのだから。

 

 

  •  永川恭二

わたしが孤狼の血を見る前に気になっていた人物が日岡とこの永川。登場シーンで耳を食べるという超凶暴な狂犬と紹介されていてもうワクワクが止まらなかったです。そして中村倫也さんなので。

耳食べた次のシーンで包帯巻いて出てきたのでなんか急に可愛いな…と思ってしまった。その時日岡も包帯巻いてたのでなんだろうこのシンクロは…と戸惑った。

狂犬だけども怒りが爆発しそうなタカシを静止したりと冷静な一面もあるのにきゅんときた。(きゅんとする映画ではない)あと目の周りがほんのり赤くなってるのもキャラデザ天才かよ…と思いました。

 

鉄砲玉としてクラブを襲撃しその後自首。その時電話を取ったのが日岡だったのにはきっと意味があると思う。電話ボックスで煙草を吸う永川が色っぽすぎた。

 

 

  • 笑えるシーン

バイオレンス描写満載だけど、笑えるところもしっかりあった。  

 

・善田(岩永ジョーイくん)

彼は養豚場で働いてるけど大体小物感があるセリフを吐いたあとボコボコにされる。そして態度が憎たらしさ満載。特に2回目の日岡への挑発はそら日岡ブチ切れますわ。その時の日岡の暴力は本当の「暴力」で、空手の型でもなければ警察官としての体術でもない。ただ一心に殴っていた。その時の日岡の目が好きすぎる。

 

・豚と2ショット

ま、まさか豚と松坂桃李の2ショットが見られるなんて思ってもみなかった…狼という字が入ってるのに出てくる動物は豚…なんなら最初のシーンから豚……

 
・ガチ真珠

舞台挨拶で真珠の話題で持ちきりになるぐらいの名(迷)シーンだと思う。宣伝文句の「警察じゃけぇ、何してもええんじゃ」もここで使われます。

そしてその真珠のおかげで日岡は警察の思惑を知ることになる…。

 
・途中娼年かと思った
途中から娼年が始まったのかと思った。

まだ公開されてるから娼年孤狼の血がはしごで見れるなんてなんて贅沢なんだろう……。

 

  • 血湧き肉躍る映画

桃李くんが好きな映画を語る時によく言います。でも孤狼の血はその言葉をよく体現したものだとはっきり感じた。

 

これ、恋文を書いたライターさんが表現してました。わたしは心底同意しました。

 

 

 

水って何にでもなれると思っていて、身体にいいミネラルウォーターにもなれば、逆に身体に害を与える毒水にもなる。桃李くんは普段は謙虚で、言葉をしっかりと考えて紡ぎ出すし礼儀正しいと評判がある。それは不純物のないサラサラとした水に例えてもいいんじゃないかなと思える。しかし役が入ればこの日岡のように濁った水を飲まされ不純物が混じりあった水にもなれるし、劇薬のような飲むと即効でこちらがぶっ倒れるような過激な水にもなれるし、ひたすらに癒しを与えてくれる温泉のような水にもなれる。そして役が抜けると濾過したように元の綺麗な水に戻るのだ。こんな的確な表現をしたライターさんにお礼の品を贈りたいぐらいです。松坂桃李綺麗な水です。ただの水ではなく、綺麗な。

 

水は何にでもなれるからこれからもどんな顔を見せてくれるんだろう、と何か新しい作品が発表される度にワクワクします。この孤狼の血も本当に楽しみにしてました。蓋を開けたらわたしが思っている以上に強く逞しいものが待っていました。桃李くんの新しい役を見るといつも『また桃李くんの違う一面が見れたな』と思うんですが、彼は一体何面持っているんでしょうか。引き出しがMUGEN。

 

 

 【5.25追記】

早くも続編が制作決定になりました!!

 

 

 

あのラストシーンの日岡の続きが見れると思うと、まだ制作発表した段階なのに早く見たいと思ってる……。凶犬の眼、読みます……。

しかし肝心の彼は今連ドラの撮影をしつつ舞台稽古をし、その後また来年の舞台もあるし(その間に解禁してないものの撮影が何個かありそう)、いつ…いつ撮るんですかね……………………そして役所さんのコメントがどこか他人事で、コメントを見た後の第一声がえっ、出てくださいよ…」でした。

大上はもういないけど、日岡の中で生き続けているじゃん。日岡が何かに躓いた時、日岡の中のガミさんが呼びかけてくるみたいなそんな感じでどうですか!?!?

あと革ジャンというワードを見たんですが日岡が革ジャン着るんですか?あの日岡が?そんなんわたしの命日です。以前は来年の朝ドラの「なつぞら」を見るまで死ねないって言ってたんですが、孤狼の血の続編の公開は多分なつぞらより後だと思うので、寿命が伸びました。平成を終えても生き続けます。どこまでも推しに生かされている。

 

 

 

 

 

 

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